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伝統行事と食文化

日本人が食べつないできた食事「和食」は、自然や風土、文化と密接に関わっています。まさに自然に寄り添って暮らす日本人の歴史が「郷土食」となり、今でも引き継がれているのです。

食事とは、単に料理をすることではなく、四季折々の農作物、山や川、海からいただく山菜や川魚、海産物など、その土地ならではの「旬の食材」を工夫していただくもの。さらに「暦」から見る節句などの伝統行事、祭り、農作物を通した共同作業などでふるまわれる「行事食」を知ることから、もっともっと食べることが楽しくなるかもしれませんね♪

日本の自然と風土

日本は四季がはっきりとした「温帯」気候。海に囲まれ、山々から滋養に富んだ水が流れ込む日本の沿岸は多くの魚介類を育てます。国土の7割を占める森林、この緑豊かな山々から湧き出す軟水は安全でミネラルを多く含み、里山ではきのこや山菜、木の実などが育ちます。農地は国土全体の12パーセントほどと少ないけれど、肥沃な沖積土が半分を占める日本の土壌は通気性や透水性、保水性などが良く、多様な食材の育つ良い環境です。

また、国土の狭い日本では、昔から屋敷まわりに実のなる木や食べられる植物を植え、四季折々の食材を使った自給自足の暮らしをしてきました。まさに、豊かな自然と食材に支えられて日本人は暮らしてきたのですね。

食の段取りと食いのばし

食の段取り

時給自足を基本としていた昔の日本では、年間を通じ「食の段取り」が行われていました。大根などの根菜類、イモ類を大きな籠に入れて雪の中に埋めたり、春に採った山菜、夏に採った野菜や魚、秋のきのこなどを塩漬けや干すなどして貯蔵したりと、四季折々の食材を様々な形で貯蔵・保存・加工して、長く食べつなぐ知恵が生まれました。

食いのばしの知恵

農作物の不作や台風などの自然災害の時に「食つなぐ」ための知恵も受け継がれています。日ごろから米の消費に気をつけるだけでなく、米にあわやひえなどの雑穀や豆、いも、野菜などを混ぜた「かて飯」やぞうすい、くず米などを粉にしただんご、うどんやそばがきなどの「粉食」もそのひとつです。今では「まぜご飯」として喜ばれている食べ物も、食いのばしの知恵から生まれた日本の伝統食なのです。

「薬膳」こそ日常

今でこそ「薬膳」としてもてはやされている食材も、昔は病気やケガなどに備えた薬効のある食物として日常的に活用していました。ドクダミは干して解毒や腹痛に、咳止めには大根を輪切りにしてはちみつ漬けにし汁を飲むなど。その活用は野草や野菜、果物、貝類、昆虫、野山の動物に至るまで。加工して作られた味噌や醤油、塩、酒、酢、油もまたやけどやケガの消毒、炎症を抑える塗り薬として使われてきたのです。

伝統行事とごちそう

日本人の食事は暦ときってもきり離せない。そもそも暦ってなんでしたっけ? 「季節のうつろい -四季と二十四節気-」で、日本の四季について説明しました。ここでは視点を変えて、暦から「節句」や「雑節」などの伝統行事に目を向けてみましょう。

五節句(ごせっく)

自然とともに生きてきた日本人にとって季節の節目である「節句」は大事な年中行事です。五節句とは、1月7日の「人日(じんじつ)の節句」、3月3日の「上巳(じょうし)の節句」、5月5日の「端午(たんご)の節句」、7月7日の「七夕(しちせき)の節句」、9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」の5つ。陰陽論で奇数は「陽」、先の5つの日は奇数が重なり偶数の「陰」になることから、邪気を払う行事をしたことが始まりともいわれています。 もともと旧暦の季節の節目を指し「七草」「桃の節句」「男子の節句」「星祭り」「菊の節句」と並ぶので、新暦の今ではちょっと季節がズレている感がありますが…。

雑節(ざつせつ)

五節句は季節の移り変わりを伝える節目であり、「雑節」は「節句」の間を埋めるものです。古くから農作業や暮らしの道しるべとなってきました。雑節には「節分」「彼岸」「社日」「八十八夜」「入梅」「半夏生」「土用」「二百十日」「二百二十日」の9つがあります。ここにも、長い生活の経験から学んだ先人の知恵が生かされているのですね♪

節分(せつぶん)

立春の前日、つまり旧暦では一年の最後の日となる。年の終わりに邪気を払い、新年の幸せを願う日。

彼岸(ひがん)

春分の日と秋分の日をはさんだ7日間をいう。一年に2回あり先祖の霊を供養する日。ご先祖様に日頃の感謝を伝え、心をつなごう!

社日(しゃにち)

春分の日と秋分の日にそれぞれ最も近い戊(つちのえ)の日をいう。「社」とは生まれた土地の産土神(うぶすながみ)を指す。春には豊作を祈り、秋には収穫に感謝してお参りする。

八十八夜(はちじゅうはちや)

立春から数えて88日目のこと。遅霜への警戒など気象や天候に気を配り、種まきや新茶の摘み取りなどを行う目安とされてきた。

入梅(にゅうばい)

梅雨入り日のこと。旧暦では「芒種」の後にくる壬(みずのえ)の日を入梅としてきた。湿気があがりうっとうしい時期。

半夏生(はんげしょう)

夏至から11日目、夏の真ん中にあたる。湿度が高く暑い時期であり、食べ物の腐敗に注意し、疲労を癒す食べ物を食べるなど言い伝えがある。

土用(どよう)

今でこそ「土用の丑の日にはウナギ」と知られているが、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間をさすので、年に4回ある。季節の変わり目で体調を崩しやすいことから、次の季節へ向かい心と体を整える時期だといえる。

二百十日(にひゃくとおか)

立春から数えて210日目のこと。ちょうど稲が開花する時期にあたり、台風に警戒すべき日とされる。300年以上続く富山の「おわら風の盆」は、二百十日に合わせ風を鎮めるお祭り。

二百二十日

立春から数えて220日目のこと。二百十日と同じく台風に警戒すべき日。実際には二百十日よりも被害が多いとされる。

伝統行事とごちそう

「和食」は日本の自然と風土、文化の中で育まれてきた日本人の食事のこと。食事をつくる背景には地域の四季があり、朝昼晩の毎日の営みがあります。そこに、ご節句などの伝統行事や冠婚葬祭、農作業などの共同作業など特別な日が絡み、食文化が生まれてきました。結婚式などで良く使う「ハレの日」という言葉は「特別な日」のこと。日常は「ケの日」といいます。 日本人のケの日は黙々と労働に励む地味な日だけれど、ハレの日に食べるごちそうはワクワクするもの♪そんなハレの日の食事をまとめてみます。

伝統行事とハレの日のごちそう

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人生の節目とハレの日のごちそう

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